【運営事務局主催/実施レポート】2021年6月24日㈭・25日㈮「SDGsアウトサイドインビジネスゲーム」公認ファシリテーター養成講座を開催しました!

6月養成講座「1日コース」2名、「2日コース」2名の公認ファシリテーターが誕生しました。

公式HP中の、アウトサイドインとは―『企業とSDGs』で紹介しましたが、「株式会社電通が実施している日本全国の10-70代を対象とした「SDGsに関する生活者調査」の、2021年1月のアンケート結果によると、SDGs認知率は54.2%と、前年からほぼ倍増という結果となりました。

「脱炭素化」が世界共通の取り組むべき課題となっている今、企業がSDGsに取り組むことは、もはや必須であるといってもいいかもしれません。

企業の内外で、SDGsアウトサイドインビジネスゲーム」公認ファシリテーターとして、より多くの方々に役割を担って頂こうと「1日コース」、「2日コース」を設け、今月も養成講座を開催しました。

2コースの違いは次の通りです。

・「1日コース」/他の教育資格を持っている方が対象。
         公認ファシリテーター認定取得。養成講座、カードゲーム編。

・「2日コース」/公認ファシリテーター認定取得。
         養成講座、企業導入シミュレーション修得編。

※他の教育資格を持っている方も受講できます。

1日コースは、「カードゲーム」の使い方やルール説明が主なプログラムで、2日コースはそれに加えてカードゲームをどのように活用していくか、どんな姿勢で取り組めばよいか考え、応用していくスキルを修得するプログラム構成となっています。

<1日目:カードゲーム編/1日コース、2日コース共通>

運営責任者あいさつ
はじめに、運営責任者の葉坂さんから、このカードゲームは東日本大震災がきっかけで生まれたこと、キーワードは「30秒のファシリテーション」にあることなどの挨拶がありました。
その意味するところを理解していく養成講座でもあります。

チェックイン
「あなたはいつ、どのようにしてSDGsと出会いましたか。この場に至るまでの道のりには何がありましたか。」をテーマに自己紹介が行われ、次のようなご意見が上がりました。

・カードゲームは小さい子から大人まで気づけるという評判を聞いたので受講をしようと思った。

・SDGsをテーマとした活動をずっと行ってきたが、企業はSDGsに取り組んでどんなことを目指しているか、会社からどんなことを学んで来てほしいと言われているか、皆さんにお聞きしたい。

・現場が関心をもって“やってみよう”となり、トップが“じゃぁ、やろう”となるような切り口で取り組んで見たい。

・社会課題に対応している会社、地域に必要とされる会社が生き残っていると思う。社会課題を企業経営に活かしていくことを体感したい。

・最初にSDGsのゲームを体験した時は全く理解できなかった。今はSDGsを取り込んだ研修プログラムを開発して行きたいと思っています。

 

制作背景・ビジネスゲームの効果
はじめに、ファシリテーターの橋本さんから、内容の説明と、「どのように話したらいいか」という思考パターンもお伝えしたいとのお話がありました。

ここが重要なポイントです。

「狙い」、「アウトサイドインが形になるまで」、「実施する意義」、「ゲーム型研修」がなぜ効果的なのか。
ゲーム型で共通体験を行うことで意思疎通が簡単になることで80点の状態を受け取ってスタートできる等など、それぞれの意味を抑えながら、分かりやすく導いてくださいました。

公認ファシリテーターとは・・・
「ファシリテーションとは」、「結果の質は関係性の質から」、「脳の基本的な機能」は生存欲求で、それには快と不快の2種類しかないと進み、要所要所で意見交換が行われました。

快・不快のテーマでは、次のような意見が交わされました。

・発言して否定されたらどうしようと先に考えてしまうので不安になる。発言を快く受け入れてくれ、少なくとも楽しい場  だったよねと感じて頂ける場づくりが重要。

・望んで参加していない場合は、「させられるんじゃないか」と不安な気持ちで来るそうすると発言が少ない。固まっている。チェックインがとても大切。

・希望して参加している人が多い場合は内容が充実するが、受け身で参加している人が多い場合は、その状態に持っていくのにパワーがいる。

 

Outside-inは企業に生まれた機会
「アウトサイドインは企業に生まれた機会」であることをしっかりと抑え、SDG コンパスに基づいて考えてみることを確認したあと「アウトサイドイン事例」の演習に取り組みました。

身近な事例を取り上げ、「起きている社会課題」、「解決への取り組み」を紹介し合いました。起きている社会課題は、失われる子どもの居場所、つくる責任・つかう責任、プロボノ活動、若者の流出が上げられ、解決への取り組みをみんなで話し合いました。

「ファシリテーターができること」の説明のあと、動画で「カード準備と配布」を確認し、「ルール説明・カードさばきの練習」、「オンライン版とリアル版」へと進みました。

リアル版の目安は何時間か?、オンライン版の設定方法は?、オンラインの際の実施サポート体制は?と具体的な質問が飛び交いました。

振り返りのポイント
「仕込み」では、どんな人が参加されるか参加者の分析が必要。問いがとても重要なので「問いの準備」をしっかりと。大事なのはともに学ぶ姿勢を忘れないことと強調されました。
ファシリテーターと皆さんの間で次のような会話が交わされ、深い振り返りとなりました。

・ゲームの勝ち負けにフォーカスされないようにすることが大切。
・ゲーム結果よりプロセスが大事ですね。
・参加者の気持ちの汲み取りが重要。
・Weメッセージではなく、Iメッセージ、一般論で参加者に発信するのではなく、あなたがどう感じたか発表してもらいましょう。
・100人の一歩より、1人の100歩が重要との言葉に納得しました。

 

強制発想マトリクスの活用
強制発想マトリクスによる新事業創出ワークに取り組みました。
試行テーマは、「人も物も移動が制限する中で、これから3年後までに起こる社会課題にはどういったものがあるか?」です。
終了後、次のような意見が交わされました

・異業種の皆さんと取り組んだからこそ出た発想でした。
・自分の視点では見えなかった意見が出て、幅が広がりました。
・促進してくださるメンバーがいたので、ゴールを見出せました。
・異業種の方々との会話で、横断的発想が生まれました。
・話しやすい場でした。

 

「1日コース」の受講者認定式
「1日コース」の受講者はここで終了です。
公認ファシリテーターコミュニティへの参加をお勧めし、互いに研鑽していきましょうと確認し合いました。また、2日目だけへの参加ができることをお伝えし、1日目を終えました。

<2日目:企業導入シミュレーション修得編>
2日目は、「昨日感じたこと」、「今日得たいもの」を共有することから始めました。

・昨日はこのようにすると、気持ちよく進められるんだと体感しながらファシリテーターとしての姿勢を想像しながら学びました。

・ファシリテートして頂くことで、新たな解を見つけることができました。今日は課題に取り組むなかで、自分自身の課題を明確に見つけたい。

 

特別講座 実践編
SDGsを企業に導入する方法について

2日目午前のプログラムは、特別講座「SDGsを企業に導入する方法について」と題して国際開発センター SDGs室長・主任研究員の三井久明先生を講師にお迎えしてお話しいただきました。

三井先生はSDGコンパスに沿う手引書「SDGs経営の羅針盤」の著者で、運営本部のメンバーもともに学ぼうと企画し、2時間の講義に耳を傾けました。
受講後には、参加者全員がそれぞれに得た気づきから質問し、回答を共有しました。世界の人口の問題、水の問題、誰一人取り残されないについて、IT企業のSDGs、インドネシアのSDGsの取組みの特徴等と、受講された皆さんは勿論のこと、運営本部メンバーにとっても大変収穫の多い講座となりました。

「なぜ民間企業はSDGsの取り組むのか」がメインテーマの特別講座でした。

2日目の午後は、アウトサイドインの「カード」から学ぶ」です。

カードの構造を書き出してみる、社会課題カードを読み・感じる、「問い」を立てる、の時間です。
「問い」はすごい力を持つことを共有しました。「問い」があると人は考える。問い続けることが大事。力を与える「問い」と、力を奪う「問い」があるとのとても深い問いかけのもと真剣に考えました。

「アウトサイドイン」の本質にせまる。
2日コースの締めくくりは、本講座運営責任者の葉坂さんによるプログラムです。東日本大震災がもたらした荒野を前に、「何とかしなければならない」との強い思いが本ゲーム「SDGsアウトサイドインビジネスゲーム」が産み出されたきっかけでした。

社会課題を解決する起業家を育成しようとの念いを出発点に、国連でSDGsと出会い、多くの協力者のもと、本ビジネスゲームが生まれました。SDGsを語るのではなく、実践しようとする人々の背中を押す、ゼロから1を生み出す支援を行う、社内外のリーダーとして行動しようとする人々の力強い味方となる・・・
そのための知識や知恵、行動力を身につけるためのプログラムです。

「目的・目標・ビジョンの違い」、「1歩ではなく2歩踏み出そう」、「30秒のファシリテーション」、「一人の1歩ではなく100人の1歩」、「現象から本質を見出し、仲間を増やしていく」、「共生思想を育むホロン経営」等など、本ゲームに込めた念いを共有しました。

一人ひとりのアイデンティティを明らかにし、行動力を育む知恵の修得です。

認定式
各プログラムを経て、それぞれが思考を深める貴重な体験のもと、2日コースの認定式を迎えました。
ほんとうにお疲れさまでした。ありがとうございました!

今後の養成講座の開催
<2日コース>
・7月29日㈭・30日㈮(1日コースは7月29日)
・8月18日㈬・19日㈭(1日コースは8月18日)
※詳しくは公式ホームページをご覧ください。
https://outside-in.jp/event/