【運営事務局主催/実施レポート】2021年3月25日㈭・26日㈮「SDGsアウトサイドインビジネスゲーム」 公認ファシリテーター養成講座を開催しました!

「SDGs Outside-in」公認ファシリテーター養成講座を開催しました。
3月25日(木)・26日(金)

新たに7名の公認ファシリテーターが
誕生しました!

SDGsにおける<アウトサイドインビジネスアプローチ>は、社会課題の解決を起点にしたビジネス創出を意味し、公式文書SDGコンパスに記載されている公式用語です。

社会が抱える課題を見つけ、事業を通じて解決する<アウトサイドイン>の取り組みは、日本国内、そして世界各地いたるところで生まれています。この概念を広め、誰もが普遍的に実行でき、再現可能なサイエンスにすることを目指して、本ゲームは生まれました。
回を重ねるごとに開催内容も進化し、3月の養成講座は、
1日目;SDGs Outside-in カードゲーム編
2日目:SDGs Outside-in 企業への導入編
として、開催しました。

<1日目/開催内容>
進行及びファシリテーターは亀井直人さんです。
《葉坂さんからー2日間、楽しく、自分に厳しく勉強しましょう!》
はじめに、運営責任者の葉坂さんから、
“行動すれば反応がある。そういうベクトルをもって知行合一を目指す。するとメンタルモデルとの出会いがある。そのもっと奥を皆さんとともに考えてみよう。一人ひとりが変わっていく。それを引っ張っていくのが私たち公認ファシリテーター。SDGsアウトサイドインの本質を、楽しく、自分に厳しくしながら2日間、大いに勉強しましよう”
とのお話がありました。

《グループで、全体でチェックイン》
・アウトサイドインは難しいイメージがあるので受講することでクリアしたい。
・地元企業や組織のSDGsへの対応に応えたい。
・ど真剣に学び、即実践したい。
・社会課題起点の考え方を体得したい。
・「アウトサイドイン」なら自分たちのやれることが明確にイメージできると思った。

一人ひとりの想いと、期待を受け止めてスタートです。
SDGs Outside-inビジネスゲームは、次の3項目が狙いです。
➀ すべての事業者に訪れる新たな事業機会について学ぶことができます。
② 自社/自分自身がアウトサイド・インを実現するために保有しているピース/必要なピースを知る機会を提供します。
➂ アウトサイド・インを実現するための第一歩を踏み出すことにつなげます。
この体験を人々に提供することが公認ファシリテーターとして主要なテーマの1つとなります。

《アウトサイドインビジネスゲームは、“SDGsに関しての理解は深まった。具体的に一歩を踏み出したい”という方のために生まれた》
SDGsアウトサイドインビジネスゲームは、「2030SDGs」、「SDGs de 地方創生」に次いで、“SDGsに関しての理解は深まった。具体的に一歩を踏み出したい”と生まれたビジネスゲームであること、実施する意義を共有し、“なぜ、ゲーム型研修が効果的なのか”について考えました。

《ファシリテーターの心構え》
“個人の内発的動機がうまく結びつかなければ継続しないし、燃え尽き症候群になってしまう。事業を通じて社会課題を解決することに共感し、企業活動の中で自分の役割を理解し、自分が行動することでビジネスのしくみを少しずつ変化させていくことができればとの心構えをお話しいただきました。
そして、さらなる価値として、「80点の状態を受け取ってスタート」。80点とはどんな状態を指すのか。養成講座を受講した方が気づくことができる重要なポイントです。
養成講座の受講を検討中の皆さま、お楽しみに!

《SDGsの考え方はどのような背景から生まれたか》
すでに1970年前半に地球が生産・吸収できる生態系サービスの供給量を超えていることを示す「エコロジカルフットプリント」の現状、地球環境と人々の意識にパラダイムシフトが生じている中で、企業に生まれた機会が「Outside-in」の考えであること。など、重要なポイントをしっかりと学んでいただきました。

《カード配布と準備、ルール説明・カードさばきの練習》
“さぁ、手を動かしましょうか!”と始まった次のステップ。カードを見る、気づきをチャットで共有する、社会課題カードを選び、なぜそのカードを選んだかをブレイクアウトルームで話し合うことに取り組みました。
その過程でそれぞれの考えが深まっていきました。社会課題カードに17番目のゴールがないことにも、大きな意味合いがありました。

《振り返りのポイント》
振り返りのポイントの資料を深めるための時間です。プレイヤーカードが持つ意味について複数の方から質問が上がりましたが、亀井さんから次のようにお話がありました。
“中間発表のときに問いかけることがあります。皆さんの、プレイヤーとしての個人の意思はどんなものですか。事業創造に向けて自分が何ができるか。自分たちがこのゲームを活用して社会課題をどう解決していくか、投げかけて場がどうなるか、話を聞く必要があるかもしれない”。“非常に大きなもの。ともすると忘れる。ともすると封じ込められてしまうのではないか。と問いかけていくだけでも場合によっては自分の意思に結びつくのではないか。何かしたい、ほっとけないという思いがスタートするかもしれない”と
ファシリテーター自身が深く理解することが重要であると、改めて意識しました。

《1日目を終えて、受講生の皆さんかの感想》
「公認ファシリテーターになるとできること」、「ワークショップのアイディア」のあと、1日目の印象を出し合いました。その内容を紹介しましょう。
・受講した側とファシリテーターとしてやる側は、こんなに違うのかと思った。やらないとわからないので、早速実践あるのみです。
・ファシリテーターの介入の仕方がとてもためになりました。
・難しいと思ったが、実践あるのみです。
・オンラインでここまでできるんだと思いました。
・アウトサイドインビジネスゲームとの距離が縮まりました。
・こんな効果があったんだ、あっ、そんな視点があったんだとの気づきがたくさんありました。

<2日目/開催内容>
2日目は、「SDGs Outside-in企業への導入編」としてスタートしました。
大きくは、「ESGとどう向き合うか」、「SDGsを企業にどう導入するか」、「SDGsアウトサイドインの本質を考える」の3つのパートです。

《SDGs&ESGダイジェスト年表と元アナン国連事務総長の演説》
はじめに、運営事務局の近江さんから、SDGsとESGの関係性把握を目的として「SDGs&ESGダイジェスト年表」と、2006年1月26日に世界経済フォーラム(ダボス会議)でコフィー・アナン国連事務総長が、「国連の新しいものの見方」として行った演説の本文が紹介されました。SDGsとESGの関係を時系列で整理してみると、アナン事務総長に行き着いたとのことでした。
この演説で、1999年に国連と民間企業との「グローバルコンパクト」を提唱した時のことに触れています。https://www.unic.or.jp/news_press/messages_speeches/sg/891/
“国際関係を国家間の関係のみでとらえ、国連を政府の労働組合同然に考えるものの見方を変えること。国連が政府だけでなく、人々との関与を深める必要があることを、加盟国と事務局職員の双方に認識させることにありました。これができてこそ、国連は21世紀にその使命を全うし、人類にとって有用な機関となれるのだと信じています”さらに“このような任務を遂行するためには、政府だけでなく、国際部隊の新たな活動主体すべてと連携しなければなりません”と続いています。

《ESGと、どう向き合うか》
SDGs Outside-in公認ファシリテーターで、銀行でプライベート・バンキングマネジャーとして活躍する馬場貴裕さんを講師として理解を深めました。
・あなたにとって「お金を使う」とは何ですか。
・「良いお金の使い方とは何か」、「悪いお金の使い方とは何か」との問いにチャットで答えることから始まり、「ESG投資とは」、「ESG投資の歴史」、投資家だとした場合に投資の有無、投資手法の変遷、国連がはじめて機関投資家を対象にしたPRI(2006年:国連責任投資原則)について、SDGsが採択された2015年以降、ESG投資がグローバルに加速しているとのお話がありました。
さらに、会社のESG投資推進者となった場合の判断を、過去・現在・未来で自らに問いかけてみるという時間になりました。
受講された皆さんからは次のコメントがありました。
・SDGs投資について全然知らなかった。
・チャットの活用はリアルと一緒だと思った。
・ESGに関する知識が全くなかった。
・問いを重ね、チャットに意見を出していくことの面白さを体感した。
・すばらしいファシリテートでした。勉強になりました。

《SDGsを企業にどう導入するか》
SDGs Outside-in公認ファシリテーターで、(一社)インバウンド・ダイバーシティ協会の今田だいすけさんを講師として学びました。
「SDGsとは」からはじまり、SDGsを企業にどう活用するかを示した「SDGコンパス」(2016年、国連グローバルコンパクトが作成)の説明、SDGsはなぜ企業にとって重要か、そして「SDGs経営」の体現とはどういうことを言うかを取り組み事例を示して頂きながらの具体的かつ、詳細な内容のプログラムを示していただきました。
企業への導入を担いたい場合、ファシリテーターとして「問いの投げかけ」だけで終わってしまうと相手にしてもらえない。答えはその企業にあるが、そのロジックを伝えることができなければならないとの言葉が印象に残りました。
また、SDGsに対する理解、知識は多様なので、「重要課題をどう設定するか」を第一にすること。
まとめでは、“SDGs17のゴール、169のターゲット、232の指標、アジェンダをきちんと読むことをお勧めします“と結ばれました。
企業への導入の担い手となるには、相当の準備と覚悟が必要であると受け止めました。

《SDGs時代の「はたらく」と「人材戦略」》
SDGs Outside-in本部ファシリテーターで、人材採用支援・育成支援に携わる渡辺徹さんから、「はたらく」現場でどんな変化が起きているか、お話がありました。
Z世代の特徴と価値観、学生のSDGsの認知度は45.1%(2020年)、企業に求めるものが大きく変化している。これからの組織における人材戦略等々興味深い内容となりました。

《SDGsアウトサイドインの本質を考える》
いよいよ最後のプログラム。本講座開催責任者・葉坂廣次さんによる「アウトサイドインの本質を考える」。「30秒のファシリテーション」がコンセプトです。
毎回ですが、養成講座の場が一気に次元上昇すると感じます。
受講された方だけが体感できる、貴重な時間です。

《2日間の振り返りと認定式》
皆さんから2日間の感想と、葉坂さんからのエールの交換で、お一人おひとりに認定証がエアで授与されました。オンラインでの開催ではありますが、とてもいい空気感に包まれた授与式となりました。
皆さま、お疲れさまでした!
ありがとうございました。