【第29回】ブラックロックCEO、「TCFDとSASBの採用を」【アウトサイドイン・アイ】

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アウトサイドイン・アイでは、皆様の

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『SDGsのビジネスにおける具体的な活動、つまりアウトサイドインってどんなもの?』

といった疑問にお応えすべく、我々が注目したweb上の記事を皆様にお届けします!

今回は、オルタナ総研フェロー:室井孝之 氏 

『ブラックロックCEO、「TCFDとSASBの採用を」 です!

世界最大の資産運用会社ブラックロックのラリー・フィンクCEOは、1月26日、投資先CEOに年次書簡を送った。このいわゆるフィンク・レターで同氏は、企業の情報開示について、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)や米国のSASB(持続可能性会計基準機構)の開示ルールの採用を促した。(オルタナ総研フェロー=室井 孝之)

「ラリー・フィンクのCEOへの2021年の手紙」の要旨は次の通り。

【前文】
2020年パンデミックは米国と世界中を包み込み、米国は更に政治的混乱が悪化し民主主義の脆弱さと貴重さが露呈した。

12ヶ月の暗闇にもかかわらず、ロックダウン中に食料や商品を流通させるため、企業は急速に革新した。企業は困っている人々にサービスを提供する非営利団体の支援を強化した。

現代科学の大きな勝利で、複数のワクチンが記録的な時間で開発された。2020年の混乱の中で、企業は気候危機に立ち向かうために力強く動いた。

【テクトニックシフト(地殻変動)加速】
2020年1月から11月にかけて投資信託とETF(上場投資信託)の投資家は、持続可能な資産に世界で2,880億ドルを投資した。

これはあらゆる種類の資産価格を再構築する、長期的だが急速に加速するネットゼロ移行の始まりである。

持続可能なインデックス投資の創出により、気候リスクに対処する準備が整った企業に対する資本の大幅な加速が可能となった。

サステナビリティに焦点を当てた企業に投資を傾ける投資家が増えるにつれて、私たちが目にしているテクトニックシフト(地殻変動)はさらに加速する。

【ネットゼロ移行の機会】

明確な長期的戦略を持ち、ネットゼロへの移行に対応するための明確な計画を持つ企業は、顧客、政策立案者、従業員、株主との利害関係者との間で、このグローバルな変革を成し遂げられる。

現在の気温上昇は、3度を大幅に超える軌道に乗っている。人々の生活を保護するためには、そして適切で公平な移行が成功するためには、何十年にもわたって技術革新と計画の両方が必要だ。

【データ開示が重要な理由】
サステナビリティリスクを評価するには、投資家が一貫した高品質で重要な公開情報にアクセスできる必要がある。

このため、昨年、企業に気候関連リスクと機会の財務開示を求めたTCFDと、重要なESG情報開示基準のSASBに沿って報告するようすべての企業に依頼した。

この1年間でSASB開示が363%増加し、1,700以上の組織がTCFDへの支持を表明した。

TCFDレポートは投資家が、企業が直面する最も重要な気候関連のリスクと、企業がどのようにそれらを管理しているかを理解するのを助けるグローバルスタンダードだ。

【ステークホルダーとの「つながりの深化」が、より良いリターンを促進】
会社が顧客、従業員、地域社会に価値を提供する目的を示すほど、株主に長期的な利益を提供する。

その結果、2020年の企業業績を見ると、自動車から銀行、石油・ガス会社まで、業界内ではESGプロファイルの良い企業が同業者よりも優れた業績を上げ、「サステナビリティプレミアム」を享受している。

すべての国の企業が、才能を最大限に引き出すことができる人材戦略を持つことを期待している。サステナビリティレポートを発行する際には、人材戦略に関する開示に、地域別に必要に応じてダイバーシティ&インクルージョンを改善するための長期的な計画を反映するようお願いする。

 

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