【4月27日(木)リアル開催:SDGsと「アウトサイド・イン」を学ぶ「SDGsアウトサイドイン」ビジネスゲーム体験会を実施/アウトサイドイン講座 第4回 目標を設定する】

4月27日(木)東京・蒲田にて、SDGs、そして社会課題を解決する新事業創造の手法である「アウトサイド・イン・アプローチ」を体験できる「SDGsアウトサイドイン」ビジネスゲーム体験ワークショップを開催しました!

体験会で講師を務めたファシリテーターの橋本長武(はしもと・おさむ)さんにインタビューし、当日の様子や受講者の得た学びについてお届けします。

 

1.当日のワークショップの雰囲気や様子を教えてください。

今回の体験ワークショップは、既に公認ファシリテーターである方と、初参加の方が一緒に学ぶ場となりました。公認ファシリテーターはもちろんですが、皆さんSDGsへの意識が高く、終始、ビジネスゲームにしっかりと向き合っているのを強く感じました。初対面でもコミュニケーションを活発に行ない、皆さんの知識とそれを活かす行動力が発揮されていて、「SDGsアウトサイドイン」ビジネスゲームを深く体験して、学んで頂けたのが印象的でした。

また、今回から「本部ファシリテーター」(公認ファシリテーターで、運営本部とコラボして「SDGsアウトサイドイン」を実践している方)の木次谷光晴(きじや・みつはる)さんに、体験会の内容説明を一部担当、参加者に伝えていただきました。もともと木次谷さんが参加者だったこともあり、緊張を和らげて、参加者との繋がりを深め、場を作っていただくことができ、よかったです。

 

2.参加者にはワークショップ全体を通してどんなことを伝えられたか、教えてください。

今回は参加者により深い学びを伝えるため、重要なことを事前にお伝えしました。

それは、「社会課題を起点に新規事業を創る」ことです。ビジネスゲーム中、運に任せたり、当てずっぽうで新規事業の創造に挑戦するのではなく、「社会課題カード」(ビジネスゲーム登場のカードの種類)には新規事業を創るための社会課題の情報が記載してあり、それを活用することが重要だと伝えました。SDG Compass(国連が発行している企業の為のSDGs行動指針)の記載にもある通り、どのような社会課題があるのか、どのように関わることができるのかを理解することは大切です。チームでじっくりと「社会課題を起点にする事業を創造する」よう伝え、より深くゲームでの学びを体験頂けるようにしました。

 

3.ワークショップ中の参加者の様子はどうでしたか?

参加者の皆さん、熱心にビジネスゲームに取り組まれていました。事前にお伝えした「社会課題を起点に事業を創造する」というポイントを聞き、しっかりと「社会課題カード」を読み込んで事業を創造していました。前半では、社会課題カードの読み込みや、他のチームの持つアセットやソリューションなど、何ができるかを考えることに集中していた為、あまりゲームでの動き(交渉や売上)はありませんでしたが、後半はたくさんの事業を創造して社会課題を解決していきました。最も社会課題を解決して利益を出したチームは45億円を計上する結果になり、前半の計上利益が12億円だったことを踏まえると、「アウトサイド・イン・アプローチ」を理解して頂けた結果が現れたと思います。他のチームも前半よりも多い利益を計上し、「社会課題を起点に事業を創造する」ことを体験頂けたと思います。

 

4.ゲーム後の振返りではどんなことが上げられたのでしょうか。

振返りでは、ゲーム中の参加者自身がどのように行動していたか、ゲームを通じて何を感じたかを話し合いました。一部ご紹介すると、「全体での情報の交換が大切である」という意見や、「社会貢献への意識の変化」という意見が挙げられました。「全体での情報の交換が大切である」というのは、成果に繋げるためにどのような情報を交換して、どう動けば良いのか、コミュニケーションにも通じる内容。「社会貢献への意識の変化」については、SDGsは社会貢献的で利益が出るものではないと考えていた。しかし、ゲーム中は利益が出ており、社会課題を解決することでビジネスになることを体験できたという意見が出ました。

 

ゲームで起きたことは現実でも起きるという学びも「SDGsアウトサイドイン」では大切にしています。参加者自身が、ゲーム中の行動や体験を振返ることで、実際の事業への取り組みにつながることをワークショップを通して伝えられたと思います。

 

5.参加者にどのような学びを伝えましたか?

参加者は「社会課題カード」は熱心に読んでいましたが、「プレイヤーカード」(ゲーム中に登場の自分の想いを示すカード)にはあまり関心を向けていませんでした。「プレイヤーカード」は個人の想いを示すカードで、社会課題解決のために行動する原動力を示します。参加者は、普段の生活や仕事において社会課題に想いと関心を向けて行動することを学んで頂きました。体験を通じて、感じて学ぶところなので、ただ単に社会課題にアプローチすることが重要ではないことを理解して頂けたのは大きな成果です。

 

【アウトサイドイン講座 第5回】

SDG Compass ステップ4 経営へ統合する

SDG Compassでは、「目標設定の結果、戦略的優先課題について、具体的な目標とKPIが設定された後は、これら目標の取り組みに向けて、持続可能性を中核事業に統合し、ターゲットをあらゆる部門に組み込むことが根本的に重要である」と言っています。

SDGsを統合させる方法を次の3項目にまとめています。

  1. 持続可能な目標を企業に定着させる
  2. すべての部門に持続可能性を組み込む
  3. パートナーシップに取り組む

項目ごとに確認しましょう。

1.持続可能な目標を企業に定着させる

SDG Compassでは、「事業への統合にあたっては、経営トップの主導が特に重要である」と言っています。
そして、持続可能な目標を組織内に確実に定着させるには次の2つの原則が特に重要であるとしています。

➀ 事業として取り組む根拠を明確に伝え、持続可能な目標に向けた進展が企業価値を創造すること、またそれが他の事業目標に向けた進展を補完することについて、共通の理解を醸成すること。

➁ 部門や個人が当該目標の達成において果たす具体的な役割を反映した特別報償を設けるなど、持続可能な目標を全社的な達成度の審査や報酬体系に組み込むこと。

さらに、持続可能性への意欲を企業のビジョン、使命や目的を明記した文書に反映させることで、根本的かつ明示的に企業の将来的な成功を持続可能な開発に連動させると言っています。

2.すべての部門に持続可能性を組み込む

「持続可能な目標の達成にあたっては、持続可能性を専門とするチームや専門家が果たす役割も重要だが、持続可能性を事業戦略、企業風土、及び事業展開に組み込むには、研究開発部、事業展開部、供給管理部、事業部、人事部などの各部門の支持と主体的な取組が鍵を握っている。」と言っています。

その実例として下図を紹介しています。

  • パートナーシップに取り組む

SDGsの達成は企業単独では不可能で、社外パートナーとの協働が必要である。

SDG Compassでは、次の3つのパートナーシップを検討するとよいと言っています。

➀ バリューチェーン

パートナーシップ・バリューチェーン内の企業が相互補完的な技能・技術・資源を組み合わせて市場に新しいソリューションを提供。

➁ セクター別イニシアチブ

業界全体の基準・慣行の引き上げと共通の課題の克服に向けた取り組みにおいて、業界のリーダーが協力

➂ 多様なステークホルダーによるパートナーシップ

行政、民間企業及び市民社会組織が力を合わせて複合的な課題に対処

さらに、「実効性のある持続可能な開発のパートナーシップを構築するためには関係者の強いコミットメントが求められる」と言っています。

 

<ご案内>

SDGsアウトサイドイン運営事務局主催の「体験ワークショップ」「養成講座」は毎月開催しております。ぜひご参加ください。

 

直近の開催情報は、下記のとおりです。

「SDGsアウトサイドイン」「ESG/SDGsグレートリセット」2つの体験ワークショップ
(上記をクリックして詳細をご覧いただけます)

・6月7日(水)13:00〜16:00
開催:オンライン

・7月5日(水)13:00〜16:00
開催:オンライン

・8月2日(水)13:00〜16:00
開催:オンライン

・9月7日(水)13:00〜16:00
開催:オンライン

「SDGsアウトサイドイン」「ESG/SDGsグレートリセット」公認ファシリテーター養成講座
(上記をクリックして詳細をご覧いただけます)

(※現在、養成講座はリニューアル準備のため、お申込を停止させていただいております。受講をご希望の方は「お問い合わせ」もしくは「受講相談会」へお申し込みください。)

「養成講座受講相談会」

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