【第1回】グリーンなライフスタイルのススメ【アウトサイドイン・アイ】

どうも!アウトサイドインカードゲーム運営事務局です!

アウトサイドイン・アイでは、皆様の

『SDGsってどんなことなんだろう?』

『SDGsのビジネスにおける具体的な活動、つまりアウトサイドインってどんなもの?』

といった疑問にお応えすべく、我々が注目したweb上の記事を皆様にお届けします!

記念すべき第一回目は、alterna online から

『グリーンなライフスタイルのススメ』です!

 


2019年は、9月と10月に巨大な台風が日本を襲い、各地に甚大な被害をもたらした。かねてから言われている地球温暖化による気候変動が、いよいよ現実のものとなってきた。また、気候変動のみならず海洋プラスチックごみ問題も目を背けてはならないものだ。成長と前提とした経済、利便性を求める生活を(すでに遅いかもしれないが)見直さなければならない。

セミナー登壇者とフィンランドセンターのスタッフ(写真提供:フィンランドセンター)

持続可能社会のためのライフスタイル
フィンランドセンター※1 は、11月4日から8日の5日間にわたって「スウェーデン系フィンランド人文化ウィーク」を開催した。フィンランドには、スウェーデン語を母語とし独自の文化を持つスウェーデン系フィンランド人が人口の約5%にあたる27万人居住している。マイノリティだが文化、芸術・文化面などの面でフィンランドを代表する活躍をしている。ちなみに偉大な作曲家のジャン・シベリウス、ムーミンでおなじみの作家トーベ・ヤンソン、F1レーサーのケケ・ロズベルグなどもスウェーデン系フィンランド人だ。

 

文化ウィークのプログラムの一つとして「グリーンなライフスタイル ~すべての人にとっての、毎日の課題~」というセミナーが、11月6日に駐日フィンランド大使館で開催された。このセミナーはフィンランドセンターのスウェーデン系フィンランド人の女性研修生が企画した。セミナーには3名が登壇し、持続可能な社会を実現するために日々の暮らしの中でできることの様々な事例やヒントを与えてくれた。

※1:フィンランドセンターは、1998年に設立され、フィンランドの学術、文化、高等教育、技術、経済などの情報を提供し、フィンランドと日本両国のこれらの分野の協力を推進している。

様々な事例を紹介するマキコ・マクティアさん(写真提供:フィンランドセンター)

世界で起こっている様々な改革
最初に登壇したマリコ・マクティアーさんは、一般社団法人Social Innovation Japanやマイボトルに無料給水できる場所を探せるスマホアプリ“my mizu”の共同設立者。「持続可能な社会に向けて一人ひとりの役割」というテーマでプレゼンテーションを行った。

江戸時代の庶民の暮らしは(モノがなかったので)ムダを出さず持続可能な社会だったことに触れ、そのときから百数十年という(歴史的に見れば)短い時間で、私たちの生活習慣がすっかり変わってしまったことを指摘。今は改善よりも改革が必要と訴えた。また、持続可能な社会の実現を目指す、日本や世界で取り組まれている事例をいくつか紹介してくれた。

上勝町 ゼロ・ウェイスト宣言 http://www.kamikatsu.jp/zerowaste/sengen.html

日本で初めてゼロ・ウェイスト(ゴミゼロ)を宣言。ゴミを13品目45分別するなど、町をあげて多彩な取り組みを実施し、2016年度にはリサイクル率81%を達成した。

Fairphone https://www.fairphone.com/en/
壊れた部品を簡単に交換することができ環境に優しいオランダ発のスマートフォン。

Loop https://loopstore.com/
様々な企業にリサイクルプログラムを提供しているTerracycleが2019年にローンチしたプラスチック容器を廃し金属やガラス容器として使用後の容器を回収し繰り返して使うことでムダなくすショッピングプラットフォーム。

アイカサ https://i-kasa.com/
好きなときに借りられて、好きなときに返却できる日本初でNo.1の傘シェアリングサービス。

my mizu https://www.mymizu.co/
マイボトルに無料で給水できる場所やお店を探せるスマホアプリ。

日本では年間220億本※2 ものペットボトルが製造されているという。例えば my mizu のようなアプリを使って、多くの人がマイボトルを利用するようになれば、メーカーもペットボトルの飲料を作らず、量り売りの様な別のスタイルのビジネスを考えるようになるかもしれない。マイボトルを持つという小さなアクションでペットボトルを減らし、プラスチックごみの問題解決に貢献できる可能性もある。

※2:2017年度は227億本。PETボトルリサイクル推進協議会、清涼飲料用PETボトルの出荷本数と、その環境負荷(CO2排出量)の推移より。 http://www.petbottle-rec.gr.jp/data/weight_saving.html

野村 蘭さんは、日々のゼロ・ウェイストへの取り組みを紹介

暮らしの中の小さなアクションから
次に登壇した野村 蘭さんは、2017年からInstagramを使って自らが実践しているゼロ・ウェイスト生活に関する情報を発信している。リサイクルも大事だが、まずゴミ自体を出さないようにすることが重要と説く。

買い物のときはマイバッグを持つ、マイカップやマイボトルを持つ。野菜なども農家からプラスチック包装をしていないものを購入する、調味料などはリターナブルなガラス瓶入りのものにするなど身の回りの生活でできる限りゴミを出さないようにしている。また、衣類や家具などもフリマアプリを活用して中古品をなるべく利用する。

まったくゴミを出さないのは現代の都市生活では難しいと思うが、ちょっとした日々の気づかいでゴミを少なくしていくことはできる。国や行政がやらないのであれば、個人で対策していくしかない。

ゼロ・ウェイストのヒント満載の野村 蘭さんのInstagram
https://www.instagram.com/zerowaste.japan/

ユリア・デガースさんはフィンランドの自宅からビデオで参加

ブログで人々をインスパイア
そして最後はフィンランドからユリア・デガースさんのビデオプレゼンテーション。質疑応答はインターネット回線を使ってリアルタイムで行われた。デガース氏はフィンランド最古の町として知られるトゥルク市に住むスウェーデン系フィンランド人の女性でブロガーとして持続可能な暮らしについて情報発信を行っていて著作もある。

プレゼンテーションのビデオは彼女の家の中で撮影され、持続可能社会実現のための日々の暮らし方などを説明してくれた。彼女は11歳のときに気候変動によって、氷河が融け、ホッキョクグマが絶滅しそうだということを知り大きなショックを受け、地球を救うことを自分のミッションにしようと決めた。

彼女の発言で印象に残ったのは「反対意見もちゃんと聞いて、その意見を尊重できるかどうか考えることが大切」と述べていたことだ。柔軟に対応すし、つねにオープンマインドであることがスウェーデン系フィンランド人の持つアイデンティティなのかもしれない。物質的な豊かさのみを求めず、地球にやさしい暮らしを実現することがグリーンなライフスタイルなのだろう。それは日本の「足るを知る」という言葉に近い考え方だと感じた。

ユリア・デガースさんのブログ(スウェーデン語と英語)
https://www.groniabo.fi/

一人ひとりができることから始める
日本では、戦後の経済復興を経て消費拡大が叫ばれ、「消費は美徳」という言葉がもてはやされた。必要以上の便利さ、華美さ、豊かさを求め、そのために身を粉にして働き、所得を倍増させることが生きがいと思っていた。こうした今までの“常識”は、これからの“非常識”と考え、パラダイムをシフトさせるべきだろう。

日本の政府や行政、大手メディアは、こうした問題に関する意識が残念ながらとても低いと言わざるを得ない。様々な環境問題に関する情報のうち、私たちが知ることができるのは日本語に翻訳されたわずかなものだけである。私たちは政府や行政だけに頼らず、まず自分自身でできる対応をするべきであろう。

地球温暖化による気候変動は、そう簡単に止められるものではない。しかし、今まで当たり前と思っていた便利さや豊かさを追求する暮らし方を見直すことで、未来への舵を少しでもよい方向に切ることができるはずだ。それには、視野を広げ、身の回りのできることから始めるべきだと気づかされた。

 

ライター

岩崎 唱
ライター、元森林関係のNPO 事務局長

 

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